光と石畳
2月のはじめといえば、暦の上では「立春:春の始まり」といわれていますが、
まだまだ冬真っ盛りで厳しい寒さが続いております。
皆さまお変わりございませんか。
今回は、フランスを代表するハイジュエリーメゾン
「ブシュロン(Boucheron)パリ本店」についてご紹介いたします。
「ブシュロン」は、フレデリック・ブシュロンによって1858年に創業。
本店の場所は、パリ1区西側にある八角形の広場:ヴァンドーム広場。
5星を上回る最上級ランクの”パラス“称号が与えられた、
歴史ある高級ホテル「ホテル・リッツ・パリ」などがあるヴァンドーム広場に、
「ブシュロン」が初めてブティックを構えたハイジュエリーメゾンであることを
皆さんご存知でしょうか。
そのため、「ヴァンドーム広場の最初のジュエラー」とも呼ばれています。
この広場で最も日当たりの良い角の一等地(26番地)は
メゾンのアイデンティティにもなっています。
また、フランス政府より歴史的建造物にも指定されており、
ブティック機能だけではなく、職人たちのアトリエやデザインスタジオ、
ディナーイベントルーム、顧客たちが宿泊できるアパルトマンも併設されています。

私はこれまでの仕事の関係で、長きに渡りパリに滞在しており、
幾度となくこのヴァンドーム広場を往来しました。
写真は私が撮影したパリの風景の中で最もお気に入りの一枚です。
夕陽が凹凸の石畳を美しく照らし、街灯や通行人の長い影がポエティックで、
思わず、パーク・ハイアット・パリ(ラ・ぺ通り)のバルコニーから
身を乗り出して撮影しました。
写真の左角が「ブシュロン」です。
ブティックの正面は映っていませんが、日が当たっているのがよくわかります。

そして、「ブシュロン」の代表的なコレクションといえば、
写真の「キャトル・コレクション」。
アイコニックなデザインで、モチーフ一つひとつに繊細な技巧を施し、
一体化するには卓越した技術力を要します。
モチーフには「グログラン」、「ダイヤモンド」「クルド・パリ」「ダブルゴドロン」など
コンセプトの名前がついています。
その中の一つ「クルド・パリ」は、ジュエラーの聖地である
パリのヴァンドーム広場に降り注ぐ光と石畳を表現しており、
高い彫金技術があってこそ、つくり出せるものなのです。
そして、私が撮影したモノクロの写真からも
モチーフのアート的な石畳を見ることができます。
写真中央リングのモチーフは、上から:
・「グログラン」=リボンやドレスに施される装飾を模した”グログラン”は、
メゾンのルーツでもあるオートクチュールの美を表現。
・「ダイヤモンド」=リング全体の光を集める役割。
・「クルド・パリ」=上記参照。
・「ダブルゴドロン」=ブシュロンが用いるモチーフの中で最も古いモチーフで、
ふたりの存在を強く結びつける”絆”を表現。

この写真はサン・トノレ通りから撮影したヴァンドーム広場。
早朝の散歩時、あまりにも美しい青空に思わずパチリとシャッターを押したもの。
右下の建物が「ブシュロン」ですが、
この写真からも本当に日当たり良好な場所にあることがわかりますね。
因みに、現在、上映中の映画:「グランメゾン・パリ」のガラディナーのロケは
「ブシュロン・パリ本店」の特別なスペースで撮影されたそうです。
これから映画を鑑賞される方は、また違う目線でも楽しめるのではないでしょうか。
本日のひと:中森(日髙本店 勤務)
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