梅雨の合間に
すっきりしない空模様が続き、青空が恋しい今日この頃、いかがお過ごしですか。
仕事のお休みと天気予報を照らし合わせて、一喜一憂しています。
唐突ですが皆様はお出かけ先を決める時、何を優先しますか?
私は、そこに行かないと食べられない美味しいもの、珍しい泉質の温泉、窯元、
この三つでしょうか。
優先順位をつけるのは難しいけれど、
先日、このうちの二つを満たす「唐津」を初めて訪れました。
海沿いの町なので、美味しい海鮮がいただけるお店がたくさん。(条件一つクリア)
そして唐津焼。(二つ目クリア!)
今回、この二つを結びつける良い出会いがありました。
口コミサイトで見つけた街のお鮨屋さん「はた寿し」に入ってみたら、これが大当たりで!
ネタは新鮮で大きく、お吸い物も良いお出汁、日本酒もびっくりするようなリスト・・
名物のアナゴにぎりも大満足。
いただきながら、さてどこの窯元に行ってみましょう?
工芸会館でもらった地図を見ながら作戦を練ります。
それにしてもたくさんの工房の数です。
その時ふと、目の前のお醤油皿が目に留まりました。
ん?唐津焼だ。
そっか、ここは唐津なんだから。
なかなか好みの色合い、質感です。
さっそく「これはどちらのうつわですか?」尋ねてみると、大将が教えてくれました。
「三里窯です」と。
何の知識もないので、これはご縁とここを目指すことにしました。
車で20分ほど、山の方で、どうも唐津焼発祥の地付近のようです。
すぐに登り窯に大きく「三里窯」と書いてある文字を見つけました。
到着はしましたが、販売をしている雰囲気もないし、人も見当たらない・・
でもラジオの音はしています。
すると、「いらっしゃい~!」と陽気な好々爺が現れました。
ここに来た経緯をお話ししたあと、ニコニコといろんなことを教えてくださり、
その話がどれも興味深くいつまでも聞いていたかったです。
土はその近辺の土だけで、
焼く時の藁も400年前の古唐津のころと同じ稲を作ってもらって焼くというこだわり。
(それで色が変わる)
「いろんな評論家がいて、ああだこうだと評価されて、値段も高くなっているけど、
このお皿には何を盛りつけようか、とか、好きか、嫌いか、それで選ぶのがいちばん。
それだけだよ」と。いつも私がうつわを選ぶ基準は間違っていなかったようです。
土埃舞う工房ですが、ちゃんと販売しているお皿もあって、
カーテンを開けて見せてくださいました。
直売と言っても、相場は1枚8000円ぐらいからのようです。
絵唐津より深い味わいのある斑唐津が多く、それは私好み、
せっかく来たのだから何枚かほしい・・
好々爺の言う通り、どれが好きか、何を乗せるか、考えながら選ぶ時間の楽しかったこと!
最終的にアドバイスも受けて2枚に決めて、次の窯出しの連絡を待つことにしました。
また必ずきますと、工房を出て、
そこではじめて「三里窯」とは?とネットで調べてみると・・
あの好々爺は現代唐津焼の代表的な有名な作家さんでした!
(急に、何か失礼はなかったか、心配になってしまいました。
値引き交渉はまずかったかな汗)
ネットでも数万円~と商品が出ています。
気取らず、おごらず、惜しみなく知識を授けてくださる、
話していて本当に気持ちの良い方。
そして何より作品が私好みなのです。
本当に奇跡のような出会いに、ただただ感謝した私でした。
早く窯出しの連絡が来ないかな・・
さて、読谷の山田眞萬さんと唐津の三里窯の窯出しが重なったらどうしよう?
今からちょっと心配しています。
出会いのきっかけとなったお皿はこちらです。

本日のひと:桑村(日髙本店 勤務)
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