ブレゲ芸術的手仕事 ギョシェ装飾
高級時計はなぜ価格が高いのでしょうか。
時計と言っても様々で、今では500円で可愛いくてお洒落なものが買えたりします。
では、その500円の時計と、例えば500万円の時計では何が違うのでしょう。
皆様も不思議に思ったことはありませんか?
本日は、1775年創業の老舗高級ブランドの『ブレゲ』を例に、
その理由のほんの一部分をご紹介したいと思います。
ちなみに、ブレゲを例に挙げたのはただの個人的な好みです。
ブレゲというブランドそのものについても、本当は皆様に伝えたいことが
たくさんあるのですが、語り始めると止まらなくなりそうなので今回はやめておきます…。
もし興味を持たれた方は日髙のホームページ内の紹介部分を見てみてください。
http://hidakahonten.jp/watch/salon/2
ブレゲは、伝統的な手仕事を現在も引き継いで時計作りを行っています。
その一つがギョシェ装飾の施された文字盤。
ギョシェ文字盤は1786年にブレゲによって考案されたようです。
単一のペイント処理の文字盤が光で反射して見づらい場合を考慮して、
文字盤に刻みを入れて反射をなくしました。
そうすると、文字盤が見やすくなった上に、デザイン性まで生まれてきたのです。
今では色々な模様を見ることができますよ。
6種類のギョシェ装飾を施されたクラシッククロノメトリー
7727BB129WU
K18WG 自動巻
価格¥4,818,000(税込)
① 「クル・ド・パリ」石畳模様
② 「コート・ド・ジュネーブ」湖のさざ波
③ 「シェブロン」Ⅴ字パターン
④ 「グレンドルジュ」麦の穂
⑤ 「ソレイユ」太陽光線
⑥ 「リズレ」縁飾り
まさに芸術!
では、文字盤は実際どのように装飾されているのでしょうか。
今でも職人は伝統的なギョシェ彫り旋盤を使って、
ひとつひとつの模様を細やかに、そして美しく掘り出しています。
一方の手で文字盤側のゴールドのディスクを回転させ、
もう一方の手は適度な加減で鏨(たがね)を押しながらの作業。
どんな小さなミスも許されません。
鏨の先端を押す力が常に一定でないと装飾は一様さを欠き、
文字盤は情け容赦なく廃棄されてしまうそうです。
さらに、職人に要求される究極の精微さ。
設計図に沿って決められた場所に正確にモチーフを配置しなければなりません。
一連の作業が出来るのは、持って生まれた非凡な才能と
長年の経験の双方を持ち合わせたギョシェ職人だけなのです。
ギョシェ模様を刻むための旋盤
東京銀座ブレゲブティックにて
このように文字盤一つを取ってみても、
本当に気の遠くなる匠の職人技が吹き込まれているのです。
いかがでしょう。
高級時計の価格の理由、少しだけですが「なるほどな〜」と思っていただけたでしょうか。
別の機会に、高級時計の価格の理由パート2をお送りするかと思います。
ぜひまたお付き合いくださいませ。
時計についてのお問合せは、日髙本店プロショップまで。
TEL 0985-26-1102
mail h-info@hidakahonten.jp